皮膚のひきつれ・くぼみについて

入浴中や鏡の前で、ふと気づいた乳房の皮膚のへこみ。腕を上げた時に初めて気になった、という方も多くいらっしゃいます。痛みがないためしばらく様子を見てしまいがちですが、皮膚のひきつれ・くぼみはしこりより気づきにくい分、受診が遅れやすい変化の一つです。
乳房の内部には、皮膚と乳腺組織をつなぐクーパー靭帯という線維組織があります。この靭帯の近くにがんが発生すると、腫瘍が靭帯を引き寄せることで皮膚がへこんで見えることがあります。しこりが触れない段階でも、皮膚の変化が先に現れることがあるため、「何となく気になる」という段階で確かめておくことが大切です。
大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、適切な検査により皮膚の変化の原因を確認しています。「これくらいで受診してもいいのか」とためらう必要はありません。気になる変化があれば、お気軽にご相談ください。
こんな症状はありませんか?
- 胸の皮膚の一部が内側に引き込まれるように見える
- 腕を上げた時に皮膚のくぼみやひきつれが目立つようになった
- 乳房の表面に凹凸した部分がある
- 片側の乳房の輪郭が左右で違って見える
- 皮膚が引っ張られるような感触がある
- 気づいたら皮膚にひきつれがあり、しばらく消えない
ひきつれ・くぼみの原因
乳がんによる皮膚への牽引
乳房の内部には、皮膚と乳腺組織をつなぐクーパー靭帯という線維組織があります。乳がんがこの靭帯の近くで発生・進行すると、腫瘍が靭帯を引き寄せることで皮膚がひきつれたり、くぼんで見えたりします。腫瘍のサイズが小さい段階でも起こることがあり、しこりが触れない場合でも注意が必要な変化です。腕を上げた時に変化が目立ちやすい傾向があります。
外傷・手術後の変化
乳房への外傷や過去の手術の影響で、組織が修復される過程に瘢痕組織が形成され、皮膚が内側に引き寄せられることがあります。また、外傷後に脂肪組織の一部が変化する「脂肪壊死」でも、同様の見た目の変化が現れることがあります。良性の変化であっても、乳がんと見た目が似ている場合があるため、画像検査で確認しておくことが大切です。
炎症による変化
乳腺炎などの炎症が生じた後、回復する過程で瘢痕組織が形成され、皮膚のひきつれが残ることがあります。炎症が活動している時期には、赤みや熱感とともに皮膚の変化が現れることもあります。慢性的な炎症が続く場合は変化が長引くこともあるため、気になる場合は受診されることをおすすめします。
考えられる病気
乳がん
皮膚のひきつれ・くぼみを引き起こす原因として、最も注意が必要な病気です。クーパー靭帯を介して皮膚が内側に引き込まれることで変化が現れます。腫瘍が小さい段階でも皮膚に変化が先に現れることがあり、痛みがなくても早めに確かめることが大切です。
乳腺炎
細菌感染や免疫の異常などにより乳腺に炎症が起きる状態です。急性期には乳房の痛み・赤み・熱感が現れることが多く、慢性化した場合や治癒後に皮膚のひきつれが残ることがあります。授乳中だけでなく、授乳経験がない方や閉経後の方にも起こることがあります。
葉状腫瘍
乳腺の間質から発生する腫瘍です。短期間で急速に大きくなることがあり、腫瘍が大きくなるにつれて皮膚が引き伸ばされ、ひきつれやくぼみが現れることがあります。良性から悪性まで幅があり、見た目だけでの判断が難しいため、検査による正確な評価が必要です。
ひきつれ・くぼみの検査
皮膚の変化の原因を確かめるために、以下の検査を行います。
超音波検査(エコー)
乳腺の内部の状態をリアルタイムで確かめる検査です。皮膚の変化を引き起こしている腫瘍や組織の異常が乳腺内部にあるかどうかを評価するのに有効です。
マンモグラフィ
X線で乳房全体を撮影する検査です。エコーでは確認しにくい範囲の変化を補完し、皮膚の変化を引き起こしている原因を乳腺内部から広く評価するのに役立ちます。年代や乳腺の状態に応じてエコーと組み合わせて実施します。
細胞診・針生検
皮膚の変化は、画像検査だけでは原因を確定しにくいことがあります。乳腺内に気になる所見が確認された場合は、ご希望に応じてその日のうちに穿刺吸引細胞診(細い針で細胞を採取して調べる検査)や針生検(局所麻酔をして組織の一部を採取する検査)まで進めることが可能です。組織をより詳しく調べる必要がある場合は、吸引式乳腺組織生検をご提案することもあります。
当院での対応
原因が乳がんであることが確認された場合は、追加検査で状態を把握した上で、連携医療機関をご紹介します。
乳腺炎や外傷後の変化であれば、状態に応じた経過観察や治療の方針をご提案します。豊胸後に皮膚の変化が気になる場合にも対応しており、シリコンバッグが入った状態での評価も可能です。
皮膚のひきつれ・くぼみは痛みがないため、気になっても後回しになりがちです。しかし早い段階で原因を確かめることで、その後の対応の幅が広がります。皮膚の変化が気になる方は、まずはお気軽にご相談ください。