葉状腫瘍とは

葉状腫瘍は、乳腺の間質(支持組織)から発生する腫瘍です。触れると弾力があり、動きやすいしこりとして感じられることが多く、外見や触感が線維腺腫と非常に似ているため、検査前に区別することが難しい腫瘍です。
最大の特徴は、短期間で急速に大きくなることです。数ヶ月のうちに数cm単位で成長するケースもあります。腫瘍の性質によって良性・境界悪性・悪性の3種類に分類され、良性が最も多いとされています。ただし、良性でも切除後に再発しやすい特徴があり、定期的な経過確認が重要です。大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、線維腺腫との鑑別も含めて正確な評価をお伝えします。
こんな症状はありませんか?
- 短期間でしこりが明らかに大きくなってきた
- 以前から気になっていたしこりが、急速に成長している気がする
- しこりは動くが、数cm以上の大きさになってきた
- 「線維腺腫の疑い」と言われたが、最近サイズの変化が気になる
- 以前から経過観察中のしこりが、ここ数ヶ月で目立って大きくなった
- 胸のしこりとともに、皮膚の張りやひきつれが出てきた
葉状腫瘍の原因
葉状腫瘍が発生する原因は、まだ明確にはわかっていません。乳がんのような乳管の上皮細胞からではなく、乳腺の間質細胞が腫瘍化することで発生します。明確なリスク因子や遺伝との関係は解明されておらず、生活習慣が直接の原因になるわけではありません。
線維腺腫から変化して葉状腫瘍になるという説もありますが、現時点では確証は得られていません。30~50代の女性に多く見られますが、発症年齢には個人差があります。原因が特定しにくい疾患だからこそ、変化に早く気づいて確かめることが大切です。
線維腺腫との違い
葉状腫瘍と線維腺腫は触れた感触や画像上の見た目が非常に似ており、外見だけでの区別が難しい腫瘍です。どちらも動きやすい弾力のあるしこりとして触れます。
最も大きな違いは成長速度です。線維腺腫は比較的ゆっくりと変化するのに対し、葉状腫瘍は短期間で急速に大きくなる傾向があります。また、葉状腫瘍は切除後に再発しやすく、治療においても線維腺腫より広い範囲での切除が必要とされます。画像検査だけでは鑑別が困難なことが多く、組織を採取して病理検査を行うことが確実な診断につながります。
葉状腫瘍の種類
腫瘍の性質によって、以下の3種類に分けられます。
良性
最も多く見られるタイプです。他の臓器への転移はほとんどなく、切除によって対処できることがほとんどです。ただし、切除後に再発することがあり、再発を繰り返す過程で性質が変化することがあるため、術後も定期的な経過確認が重要です。
境界悪性
良性と悪性の中間に位置するタイプです。再発リスクが高く、良性より広い範囲での切除が必要になります。術後も定期的な経過観察が必要で、再発した場合は再手術が検討されます。
悪性
頻度は少ないですが、主に血流を介して肺などへ転移することがあるタイプです。広範な切除が必要となることが多く、術後の厳密な経過管理が重要です。
葉状腫瘍の検査
葉状腫瘍を評価するために、以下の検査を行います。
超音波検査(エコー)
しこりの内部構造・境界の状態・大きさを評価する検査です。葉状腫瘍では嚢胞様の空間を含む不均一な内部構造が見られることがあります。線維腺腫との区別が難しい場合も多く、サイズの変化を継続して追うことも重要です。
マンモグラフィ
X線で乳房全体を撮影する検査です。葉状腫瘍はマンモグラフィでは境界が明瞭な腫瘤として映ることが多く、画像だけでは線維腺腫との区別が難しいことがあります。エコーと組み合わせることで、より総合的な評価が可能になります。
細胞診・針生検
線維腺腫との確実な鑑別には組織の採取が必要です。ご希望に応じてその日のうちに穿刺吸引細胞診(細い針で細胞を採取して調べる検査)や針生検(局所麻酔をして組織の一部を採取する検査)まで進めることが可能です。なお、葉状腫瘍は腫瘍内で性状が異なる場合があるため、摘出した組織を詳しく調べることで最終診断が確定されることがあります。
葉状腫瘍の治療
葉状腫瘍の基本的な治療は外科的切除です。
外科的切除(良性・境界悪性)
再発を防ぐために、腫瘍の周囲の正常組織を含めた十分な範囲での切除が重要とされています。腫瘍が小さい場合は乳房温存手術が選択されることが多いですが、境界悪性では良性より広い切除範囲が必要になります。切除後も定期的な経過観察が必要で、再発がないかを継続して確かめることが大切です。
悪性の場合
悪性の葉状腫瘍は肺などへの転移リスクがあるため、より広範な切除が必要になります。腫瘍の大きさや状態によっては乳房切除術が検討されることもあります。術後の厳密な経過管理が重要です。当院では葉状腫瘍が確認された場合、適切な連携医療機関をご紹介します。