嚢胞とは

嚢胞(のうほう)は、乳腺の中に液体が溜まって袋状になった良性の変化です。乳がん検診で最もよく確認される所見の一つで、エコーでは液体が黒く抜けて見えるため、腫瘍との鑑別がしやすいのが特徴です。痛みや自覚症状がなく偶然発見されることが多いほか、月経周期に伴って大きさが変わることもあります。
嚢胞自体は良性であり、基本的に心配が必要な病変ではありません。大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、超音波検査(エコー)で嚢胞の状態を確認し今の状態を記録することで、次回以降に変化があった時にすぐ気づける体制で経過を見守ります。
こんな症状はありませんか?
- 乳がん検診で「嚢胞があります」と指摘された
- 胸に柔らかいしこりがあり、押すと弾力を感じる
- 月経前に胸の張りや不快感が強まり、月経後に落ち着く
- 以前指摘された嚢胞が、大きくなっている気がする
- 胸に複数の嚢胞があると言われており、定期的に状態を確認したい
- 嚢胞と乳がんの違いがわからず、不安に感じている
嚢胞の原因
嚢胞が形成される詳しい仕組みはまだ完全には解明されていませんが、女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)のバランスの変化が主な要因と考えられています。乳腺が分泌した液体がうまく排出されずに乳管内に溜まり、袋状の構造を形成することで生じます。
月経周期に伴うホルモンの変動によって、嚢胞のサイズが変化することがあります。30~50代に多く見られますが、より若い世代や閉経後にも発生することがあります。嚢胞ができやすい体質には個人差があり、生活習慣が直接の原因になるわけではありません。乳腺症の一部として嚢胞が現れることもあります。
嚢胞の種類
嚢胞はその内容物の性状や数によっていくつかに分類されます。
単純性嚢胞
内部が液体のみで満たされた、最も多く見られるタイプです。エコーでは内部が均一に黒く映り、境界が明瞭なことが特徴です。多くは良性で、自然に小さくなることもあります。経過観察が基本で、積極的な処置を必要としないことがほとんどです。
複雑嚢胞・嚢胞内腫瘤
内部に濁りや隔壁(仕切り)、固形成分が見られるタイプです。エコーで内部に明暗のある構造が確認されます。多くは良性の変化ですが、嚢胞内に腫瘤(かたまり)が確認された場合は、詳しい評価が必要になることがあります。
多発性嚢胞
両側の乳房に大小複数の嚢胞が見られる状態です。個々は良性であることがほとんどですが、数が多いと他の病変が画像上で確認しにくくなるため、定期的な経過観察が重要になります。
嚢胞と乳がんの関係
嚢胞自体は良性の変化であり、がんに変化することはありません。ただし、以下の点には注意しましょう。
- 嚢胞が多い場合や大きい場合、乳腺内の変化が画像上で見えにくくなり、他の病変の発見が遅れることがあります
- 嚢胞の中に固形成分が確認された「嚢胞内腫瘤」は、良性の乳管内乳頭腫であることが多いですが、稀に悪性の変化を示すケースもあるため、詳しい評価が必要です
そのため、定期的なエコーで嚢胞の状態を継続して確かめることが重要となります。
嚢胞の検査
嚢胞の性状を正確に把握するために、以下の検査を行います。
超音波検査(エコー)
嚢胞の評価において最も有効な検査です。液体が溜まった嚢胞は、エコーで内部が均一に黒く映るため、固形の腫瘍との区別が明瞭にできます。また、複雑嚢胞の場合は内部構造の詳細を確認でき、変化があった時に前回の記録と比較することで早期に気づくことができます。
マンモグラフィ
X線で乳房全体を撮影する検査です。嚢胞が多発している場合や、嚢胞の周囲に石灰化など別の変化がないかを確かめるのに役立ちます。エコーと組み合わせることで、嚢胞以外の変化も含めた全体的な評価が可能です。
細胞診・針生検
嚢胞内に気になる固形成分が確認された場合、嚢胞内の液体を採取する穿刺吸引細胞診や、固形成分の組織を採取する針生検で性状を詳しく調べることがあります。内容物の性質を確認することで、その後の方針を明確にすることができます。
嚢胞の治療
定期的な経過観察
内部が液体のみの単純性嚢胞で、痛みや不快感がない場合は、定期的なエコーで大きさや性状の変化を確かめながら経過を診ていきます。嚢胞が自然に小さくなったり、消えたりすることもあります。当院では、今の状態を記録して次回との比較を続けることを大切にしています。
穿刺吸引(液を抜く処置)
嚢胞が大きくなり、痛みや張りが続く場合は、細い針で嚢胞内の液体を吸引する処置があります。液を抜くことで一時的に症状が和らぎますが、再び液が溜まることがあります。吸引した液を調べて性状を確認することもあります。
固形成分がある場合の対応
嚢胞内に固形成分が確認された場合は、穿刺吸引細胞診や針生検で詳しく調べた上で、性状に応じた対応をご提案します。良性と確認されれば継続的な経過観察、悪性の疑いが生じた場合は連携医療機関をご紹介します。