放射線治療とは

放射線治療は、高エネルギーの放射線をがん細胞に照射することで、細胞の増殖を抑えたり死滅させたりする治療です。手術と組み合わせて行われることが多く、乳がんの再発リスクを下げるための補助療法として広く活用されています。
検診で乳がんが見つかった後、手術療法とともに検討される治療の選択肢の一つです。大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、放射線治療が必要と判断された場合には、連携医療機関をご紹介しています。
放射線治療が行われる場面
乳がんにおいて放射線治療が検討されるケースは、以下の通りです。
乳房温存手術後
温存した乳房に残存するがん細胞を除去し、局所再発のリスクを下げるために行われます。温存手術とセットで考えられることが多く、温存手術を選択した場合には多くのケースで照射が推奨されます。
乳房全摘後の高リスクケース
腫瘍が大きかった場合、リンパ節に多数の転移があった場合など、全摘後でも局所再発のリスクが高いと判断される場合に行われることがあります。
骨や脳などへの転移に対して
遠隔転移に対して、痛みの緩和や症状の抑制を目的として照射が行われることもあります。
治療のスケジュール
放射線治療は通常、平日毎日(週5回)通院しながら外来で受ける治療です。1回あたりの照射時間は短く、照射そのものは数分程度で終わります。ただし準備や位置合わせを含めると、通院1回あたり30分から1時間程度を見込んでおくと良いでしょう。
標準的な治療期間は5~6週間(25~30回照射)が一般的です。近年は照射回数を減らし3~4週間程度で終了する「短期照射(寡分割照射)」を選択するケースも増えており、担当医と相談しながら方法を決めることになります。
仕事と治療の両立という観点では、治療中も体調が許す範囲で仕事を続けている方が多くいます。疲れや倦怠感が生じやすくなる時期もありますが、多くの方が通院しながら日常生活をある程度維持できています。
副作用と見た目への影響
放射線治療の副作用には、治療中に現れるものと、治療後しばらくしてから現れるものがあります。
治療中~直後に現れる変化
照射部位の皮膚が日焼けのように赤くなること(放射線性皮膚炎)が最も多く見られます。かゆみや乾燥を伴うことがあります。また、倦怠感が出る方もいます。これらは治療終了後に徐々に改善することがほとんどです。照射部位の皮膚は繊細になるため、刺激を避けたスキンケアが重要です。
治療終了後の変化
照射を受けた乳房や皮膚には、長期的に色素沈着(皮膚が黒ずんだ状態)が残ることがあります。また、乳腺が線維化(硬くなること)し、触れた感触が変わることがあります。これらの変化の程度には個人差があります。
将来への影響
放射線治療の長期的な影響として、以下のような変化が現れることがあります。
乳房の変化
線維化や皮膚の色素沈着が長期的に続く場合があります。温存手術後に照射を受けた乳房は、健側と比べて硬くなったり、大きさが変わったりすることがあります。
乳房再建との関係
放射線照射を受けた組織は血流や柔軟性が変化するため、照射後に乳房再建を行う場合は合併症のリスクが高まることがあります。全摘・再建・放射線の順序については、治療前に担当医と丁寧に確認しておくことが重要です。
心臓・肺への影響
特に左乳房への照射では、長期的に心臓や肺への影響が生じる可能性があることが知られています。現在は照射技術の精度が向上しており、心臓や肺へのダメージを最小限に抑える工夫がされています。