運動と乳がん予防

運動と乳がん予防

運動と乳がんリスクの関係

運動と乳がんリスクの関係

定期的な身体活動(運動)が乳がんリスクの低減と関連することが、複数の大規模研究で示されています。特に閉経後の女性において効果が大きいとするデータが多く、活動量の多い女性では乳がんの発症リスクが相対的に低い傾向が報告されています。

運動がリスクを下げるとされる主なメカニズムは、体脂肪の減少によるエストロゲン産生の抑制、インスリン抵抗性の改善、体内の慢性炎症の軽減などです。これらはいずれも乳がんの発症に関わるとされる要因に直接働きかけます。「何か特別なことを始めなければ」と思う必要はなく、日常生活に体を動かす習慣を積み重ねることが、予防への一歩となります。大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、乳がん検診だけでなく、生活習慣の見直しも大切にしています。

推奨される頻度と時間

世界保健機関(WHO)や各国のがん学会では、成人に対して週150~300分以上の中程度の有酸素運動、または週75~150分以上の有酸素運動を推奨しています。乳がん予防の観点でも、この目安が参考になります。

週150分というと多く感じるかもしれませんが、1日あたり換算すると約20~30分です。毎日続けなくても、週に数回まとめて行うことでも効果が期待できます。運動を始めるのに年齢は関係なく、これまで運動習慣がなかった方でも、少しずつ取り組むことで体への影響が期待できます。「完璧にこなすこと」より「続けること」を優先しましょう。

効果的な運動の種類

有酸素運動

乳がん予防との関連が最も多く研究されているのが有酸素運動です。ウォーキング・ジョギング・水泳・サイクリング・ダンスなど、種類は問いません。大切なのは「少し息が上がる程度」の強度で継続することです。会話ができる程度のペースが「中程度の有酸素運動」の目安です。屋外でも自宅でもできるウォーキングは、最も取り組みやすい運動の一つです。

筋力トレーニング

筋肉量を維持・増加させる筋力トレーニングも、体脂肪率を下げる効果があることから乳がん予防に有益とされています。ダンベルや自重トレーニング(スクワット・腕立て伏せなど)を週2~3回取り入れることが推奨されています。有酸素運動と組み合わせると、より効果が期待できます。

仕事中・日常生活での活動

「運動する時間がない」という方も、日常の中で体を動かす機会は作れます。座りっぱなしの時間が長いこと自体が健康リスクにつながるとされており、デスクワーク中心の生活では、意識しないと一日中ほとんど動かないことがあります。

仕事中や日常生活に取り入れやすい方法として、以下のようなものがあります。

  • 30~60分に一度は立ち上がり、数分歩く
  • エレベーターではなく階段を使う
  • 昼休みに10~15分のウォーキングを習慣にする
  • 電話中は立って話す、または歩きながら話す
  • 一つ前のバス停・駅で降りて歩く

治療中・治療後の運動

乳がん治療中は「安静にしなければいけない」と思いがちですが、治療の副作用(倦怠感・筋力低下など)の軽減や、精神的なストレスの緩和に運動が有効とされています。化学療法やホルモン療法中でも、体調に合わせた軽い有酸素運動が推奨されることがあります。

ただし治療中の運動は、担当医に相談してから始めることが大切です。術後のリンパ浮腫がある場合は運動の種類や強度に注意が必要です。無理のない範囲で体を動かすことを優先し、つらい時は休むことも回復の一部です。

まずは「今日少し動く」ことから

乳がんの予防に「これをやれば完璧」という方法はありません。食事・運動・定期検診を組み合わせて継続することが、リスクを下げる最も現実的な方法です。運動習慣のない方も、今日から少し歩く時間を増やすことが第一歩になります。