乳管内乳頭腫とは

乳管内乳頭腫は、乳汁を乳頭まで運ぶ乳管の内側に発生する良性の腫瘍です。数mmから1cm程度の大きさのものが多く、乳頭に近い太い乳管に発生しやすいのが特徴です。30~50代に多く見られます。
最も多い症状は乳頭からの血性分泌物(赤・茶色がかった分泌物)で、これが受診のきっかけになることが多くあります。血性分泌物の原因として最も多い疾患の一つですが、乳がんとの外見上の鑑別が難しいこともあるため、症状が気になる時は確かめることが大切です。大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、超音波検査(エコー)を中心に、乳管内乳頭腫の評価と乳がんとの鑑別に対応しています。
こんな症状はありませんか?
- 乳頭から血の混じった分泌物が出る
- 下着に分泌物の染みがつくことがある
- 押さなくても乳頭から自然に液が出る
- 片側の乳頭の一箇所から継続して分泌がある
- 乳頭の近くにしこりのような感触がある
- 検診や画像検査で乳管の拡張を指摘された
乳管内乳頭腫の原因
乳管内乳頭腫が発生する明確な原因は解明されていませんが、女性ホルモン(エストロゲン)の影響が関与していると考えられています。乳管の内側を覆う上皮細胞が部分的に増殖し、乳管内に乳頭状(突起状)の構造を形成することで腫瘍が発生します。
腫瘍の表面は傷つきやすい組織でできており、微小な出血が乳管内に生じることが、血性分泌物の主な原因となります。生活習慣が直接のきっかけになるわけではなく、体質や年齢に伴う乳管の変化が関係していると考えられています。
乳管内乳頭腫の種類
乳管内乳頭腫は、発生する場所や数によって分類されます。
孤立性乳管内乳頭腫
乳頭に近い太い乳管(主乳管)に、一つだけ発生するタイプです。血性分泌物の原因として最も多く、分泌が片側の一箇所から続く場合はこのタイプが疑われます。乳がんへの悪性化リスクは比較的低いとされていますが、乳がんが同時に存在することがあるため、確認が必要です。
多発性(末梢性)乳管内乳頭腫
乳腺の末梢にある細い乳管に、複数の腫瘍が発生するタイプです。孤立性に比べて乳がんとの関連が高いとされており、異型細胞(正常とは異なる細胞の変化)が見られる場合は、将来の乳がんリスクが上がることがあります。より慎重な経過観察が求められます。
乳管内乳頭腫と乳がんの関係
乳管内乳頭腫は良性腫瘍ですが、乳がんとの鑑別が重要であることには二つの理由があります。
一つは、画像上の見た目や分泌物の特徴が似ていることがあり、精密検査で確かめなければ区別が難しい場合があることです。もう一つは、稀に乳がんが同時に乳管内に発生していることがあるためです。
特に多発性乳管内乳頭腫や、異型細胞が確認されたケースでは、将来の乳がんリスクが高まることが知られています。血性分泌物が続く場合は、自己判断せずに受診して原因を確かめることが大切です。
乳管内乳頭腫の検査
乳管内乳頭腫を評価し乳がんとの鑑別を行うために、以下の検査を行います。
超音波検査(エコー)
乳管内乳頭腫の評価に最も有効な検査です。超音波検査(エコー)では乳管の拡張の有無や、乳管内の腫瘍の状態をリアルタイムで確認できます。拡張した乳管の内側に境界が明瞭な充実性の腫瘍として映ることが多く、乳管内の小さな変化も捉えやすい検査です。
マンモグラフィ
乳管内乳頭腫そのものがマンモグラフィに明瞭に映ることは少ないとされています。ただし、乳管の拡張や周囲の石灰化などの変化を確認するのに役立ちます。エコーと組み合わせることで、より多角的な評価が可能になります。
細胞診・針生検
乳頭からの分泌物を採取して細胞を調べる細胞診や、腫瘍の組織を採取して乳がんとの鑑別を行う針生検が実施されます。ご希望に応じてその日のうちに穿刺吸引細胞診(細い針で細胞を採取して調べる検査)や針生検(局所麻酔をして組織の一部を採取する検査)まで進めることが可能です。
乳管内乳頭腫の治療
乳管内乳頭腫の治療方針は、腫瘍の性状や症状の程度によって決まります。
経過観察
症状が軽く、画像上で明らかに良性の所見が確認された場合は、定期的な検査による経過観察が選択されることがあります。エコーで乳管の状態や腫瘍の大きさに変化がないかを継続して確かめていきます。分泌の色や量に変化があった時は、お早めにご相談ください。
外科的切除(乳管切除)
血性分泌物が繰り返す場合や、乳がんとの鑑別をはっきりさせる必要がある場合は、原因となっている乳管ごと腫瘍を取り除く乳管切除術が行われることがあります。切除した組織を病理検査で調べ、乳がんの有無を確認します。当院では手術が必要と判断された場合に、適切な連携医療機関をご紹介します。