乳頭からの分泌物について

乳頭から液体が出ていることに気づいた時、多くの方が「乳がんではないか」と不安を感じます。しかし、多くはホルモンバランスの変化や生理的な原因によるものです。
ただし、分泌物の色・出る量・片側か両側かといった特徴によっては、乳管内乳頭腫や乳がんなど確認が必要な病変が関わっていることがあります。大阪市北区・梅田のブレストクリニック堂島では、分泌物の特徴から原因を正確に評価しています。自己判断せずに一度受診されることをおすすめします。
こんな症状はありませんか?
- 押さなくても乳頭から分泌物が自然に出る
- 下着や衣類に分泌物の跡がついていた
- 分泌物が赤みを帯びている、または血が混じって見える
- 片側の乳頭からのみ分泌物が出る
- 以前より分泌量が増えた、または長く続いている
- 分泌物の色が変わってきた(透明から茶色・黄色がかった色へ)
分泌物の種類と注意が必要なサイン
分泌物はその色・出方・片側か両側かによって、考えられる原因が大きく異なります。
比較的心配が少ない分泌物
透明または乳白色の分泌物が、両側の乳頭から複数の孔を通じて出る場合は、ホルモンバランスの影響による生理的な分泌の可能性があります。授乳が終わってからしばらく分泌が続くケースもあります。また、胃薬や一部の向精神薬などの薬剤がプロラクチン(母乳の分泌に関わるホルモン)を高め、乳頭から分泌物が出ることもあります。こうした場合は、両側の乳頭から同程度の分泌があることが多いとされています。
注意が必要なサイン
次のような特徴がある場合は、乳管内乳頭腫や乳がんなど、確認が必要な病変が関わっている可能性があります。一つでも当てはまれば、早めに受診されることをおすすめします。
- 押さなくても自然に出てくる
- 血が混じっている、または赤・茶色がかっている
- 片側の乳頭のみ、一箇所の孔からのみ出る(単孔性)
- 長期間継続している
考えられる病気
乳管内乳頭腫
乳管の内側に発生する小さな良性の腫瘍で、血性または透明な分泌物の原因として最も多いものの一つとされています。片側の乳頭の一箇所から血の混じった分泌物が出る場合は、この可能性が高いとされています。多くは良性ですが、なかには乳がんが関わるケースもあるため、検査による確認が必要です。
乳腺症
女性ホルモンのバランスの変化により乳腺組織が変化する状態で、透明や黄色がかった分泌物が複数の孔から出ることがあります。月経周期に伴って変動する傾向があります。多くは良性の変化で、ホルモンバランスが落ち着くと改善することがあります。
乳がん
乳がんが乳管内に発生し、分泌物として現れることがあります。血性(赤・茶色)であることが多く、片側の一箇所から継続して出る場合は注意が必要です。しこりなどの症状がなくても、分泌物が乳がんの最初のサインとなることがあります。
乳腺炎
乳腺の炎症によって、膿のような分泌物が出ることがあります。痛み・赤み・熱感を伴うことが多く、授乳中に多く見られますが、授乳経験がない方にも起こることがあります。
分泌物の検査
分泌物の原因を確かめるために、以下の検査を行います。
超音波検査(エコー)
乳管内の状態をリアルタイムで評価できる検査です。乳管内乳頭腫や腫瘍が分泌物の原因となっていないかを確かめるのに適しています。当院では来院されたすべての患者様に院長がエコーを実施しており、その場で検査結果をお伝えします。
マンモグラフィ
X線で乳房全体を撮影する検査です。乳管の拡張や乳管内の変化、石灰化など、エコーでは確認しにくい所見を補完的に評価するのに役立ちます。年代や乳腺の状態に合わせてエコーと組み合わせて実施します。
細胞診・針生検
分泌物が採取できる場合は、分泌物中の細胞を調べる細胞診が行われることがあります。乳管内乳頭腫やがん細胞の有無を確認するのに有効です。エコーで病変が確認された場合は、当日のうちに針生検(局所麻酔をして組織の一部を採取する検査)まで進めることが可能です。
当院での対応
乳管内乳頭腫や乳がんが確認された場合は、精密検査の結果を踏まえた上で、連携医療機関をご紹介します。
ホルモンバランスや薬剤の影響が原因であれば、状態に応じた経過観察の方針をご提案します。乳腺症や乳腺炎による変化であれば、それぞれの状態に合わせた対応を行います。
分泌物の変化は、日常的に気づきにくい症状の一つです。血性の分泌物や片側だけの分泌は特に早めの確認をおすすめします。気になる変化がある方は、お早めにご相談ください。